2020年、小学校でもプログラミング教育が必修化されましたね!
私を含めた親世代の方たちは、お仕事で使う方を除いて、プログラミングをしたことがあるという人は少ないのではないでしょうか?
- 英語なら教えることができるけど、プログラミングは教えられない…
- プログラミング教育の評価はつけられるの?
- プログラミング教育ってなんのためにやるの?
心配や疑問に思う人も多いですよね。
でも、心配しなくて大丈夫です!
理由は以下の通りです。
- プログラミング必修化といっても、難しい言語などを学ぶわけではない
- プログラミングができる・できないで評価がつくわけではない
今回の記事は、そもそもの「プログラミングってなに?」という話や「プログラミングの授業内容や評価」についてです。
実際に小学校4年生・1年生の子どもを持つ私が、わかりやすく親目線でご紹介します!
そもそも「プログラミング」とは?
プログラミング教育を知るには、まずは「プログラミング」から知りましょう!
今回はかんたんに紹介するので、更に「詳しく知りたい!」と思う方は、こちらの記事も読んでみてください。
▷「プログラミング」とはなに?親目線で解説
「プログラミング」とは、コンピュータに「プログラム」を教えること
「プログラミング」とは、コンピュータに「プログラム」を教えることです。
まずは「プログラミング」のもととなる「プログラム」について考えてみましょう。
「プログラム」といっても、みなさんがイメージするようなIT技術者が使うような、難しい言語やコードだけを指すわけではありません。
- 入学式や卒業式、運動会の進行表
- 料理や買い物の手順
- 朝、学校や仕事に行く前の準備
このように、やることの手順を明確にしたり、それをわかりやすいように表したものが「プログラム」と呼ばれます。
意識していないだけで、実は日常生活で多く「プログラム」を取り入れていることがわかりますね!
プログラミングとは、教える対象が「コンピュータ」であることが特徴です。
つまりコンピュータに物事の手順「プログラム」を教えることが「プログラミング」なのです。
身の回りの電化製品ほとんどにプログラミングされている
私たちの身の回りを考えてみると、実はほとんどの電化製品すべてにプログラミングが使われています。
スマホ・PCだけでなく、ごはんを炊く炊飯器、自動車など、簡単・便利に扱えるのはプログラミングのおかげです。
つまり現代は「それだけプログラミングが必要とされている時代」といえます。
今後もっと便利な世の中になるように、更にプログラミングも必要となるでしょう。
プログラミングで新しいものを作り出すためにも、プログラミングされたものを使いこなすためにも、プログラミングの知識やスキルは欠かせなくなるでしょう。
小学校でのプログラミング教育必修化について
小学校でのプログラミング教育の導入された背景には、どのようなものがあるでしょうか?
文部科学省の「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」内では、下記のように書かれています。
誰にとっても、職業生活をはじめ、学校での学習や生涯学習、家庭生活を余暇生活など、あらゆる活動において、コンピュータなどの情報機器やサービスとそれによってもたらされる情報とを適切に選択・活用して問題を解決していくことが不可欠な社会が到来しつつあります。
文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」はじめに より
簡単に言うと「仕事でも私生活でも切り離せない存在となったコンピュータを上手に使えるようにならなければいけない…!」ということですね。
そのほかにも「AIが進化し、インターネットが加速する時代(第4次産業革命)に対応するため」や「プログラミングできる人材が圧倒的に少ない」というのも理由の一つでしょう。
経済産業省のデータによると、2030年には最大で約78.7万人のIT人材が不足すると言われています…。
しかし、プログラミング教育の必修化は、エンジニアやプログラマーの養成を目的にしたものではありません。
あくまで子どもたちにたくさんのメリットがあるために導入されたのです。
プログラミング教育のねらい
文科省による「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」では、プログラミング教育のねらいとして、3つ挙げられています。
- 「プログラミング的思考」を育む
- コンピュータの働きや、情報社会・情報技術について学ぶ
- 教科の学びを深める
それぞれ詳しく見ていきましょう!
「プログラミング的思考」を育む
小学校のプログラミング教育では「プログラミング思考」を育むことが一つの大きなねらいとされています。
そもそも「プログラミング的思考」とはなんなの?
その答えがこちら↓
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した行動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力。
文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」P9より
簡単に言うと、やりたいことを実現する・問題解決をするための、方法を導き出すための思考が「プログラミング的思考」と言えるでしょう。
ほかにもプログラミング思考には、以下のような特徴があります。
- やりたいことを実現させるには、どの手順で行うのが正解なのか?を、様々なパターンに合わせて段階的に考えて実践すること。
- 失敗したときに、思いつきや当てずっぽうではなく、結果を予測して実践すること。
これらのことは「論理的」に考えて実践することなので、論理的思考につながると言えるのです。
▷「プログラミング的思考」とはなに?論理的思考との違いやメリット
コンピュータの働きや、情報社会・情報技術について学ぶ
プログラミング教育のもう一つの目的が、コンピュータは「プログラム」で動いていることを知ることです。
上でもご紹介しましたが、プログラミングによって、私たちの生活はとても便利になりました。しかし当たり前になりすぎて、それがプログラミングなどのIT技術の進歩によるものだとは気づきにくくなっています。
ボタンを押すだけで、思ったとおりに動いてくれるなんて「魔法」みたい!
しかしプログラミング教育によって「魔法」のような便利さ・すばらしさに気づけたり、普段の生活をより便利にできたりするようになるのです。
教科の学びを深める
プログラミング教育は、教科(国語・算数・理科・社会・英語)の授業内で行われます。
例えば算数の授業で「正三角形をプログラミングで書くにはどうするか?」をやってみたとしましょう。
プログラミングは、正確に指示しなければ動かないという特徴があります。そのため、プログラミングをする側が、正三角形の定義をしっかりと理解しておくことが必要です。
- 3辺が同じ長さ
- 3つの内角が等しい(60°)
正三角形は、この定義がわからなければ正確に書くことはできません。
つまり、正三角形を書くプログラミングをすることによって、図形への学びを深められるのです。
更に発展させれば、正五角形や手書きではきれいに書けない正◯角形なども無限に描けるようになります。◯部分を増やしていくと最終的には円になるということなども、学習するうちに理解できるようになるでしょう。
「この角度で書いてみたらどうなる?」など簡単に様々な図形が描けるようになるので、好奇心も高まりますね!
「プログラミング教育」の授業や評価は?
- プログラミング教育の授業は、なにをするの?
- 評価はどうやってつけられるの?
心配ですよね。
結論から言うと下記のようになります。
- プログラミング教育の授業は、明確に定められているわけではない
- プログラミングで評価がつけられるわけではない
プログラミング教育の授業内容は、明確に決められているわけではない
プログラミング教育の授業内容は明確に定められていません。
もちろん「こうするのが良いよ!」という内容は例として挙げられているのですが、学校や教師ごとに裁量が任せられているのです。
プログラミングだけで評価がつけられるわけではない
プログラミング技術で評価がつけられるわけではありません。
あくまでも「教科の学びを深める」ことが目的なので、普段学ぶの教科の学びと結び付けられています。
もし学校でプログラミングを楽しむことができれば、本人の意欲次第で、自宅でできるプログラミング教材やスクールを検討してみても良いかもしれません。
プログラミング授業の問題点は?
プログラミング教育には懸念点もいくつかあると言われています。
- 学習内容は各学校や先生の裁量により異なるため、先生次第で差が出る可能性も…
- 教えられる先生自体が少ない
- 都心部とそれ以外の地域で差が出る
- 自宅の環境により、生徒の学習に差が出る
など
まだまだ新しく導入したてなので、今後別の問題点が出るかもしれませんね。
これからどんどんプログラミングは広がる!
スマホの広がりを始めとして、レジのいらないAmazon Goや自動運転の車など、プログラミングを使ってできることは、どんどんと増えています。
しかし、それは反対に働くのに必要な人材が少なくなるということです。
「言われたことしかできない人」や「プログラミングを作れなかったり、使いこなしたりできない人」は、働ける場所も少なくなるかもしれません。
2045年には人工知能が人間の知能を超える「シンギュラリティ」が起こるとも言われています。
これからの時代、まず間違いなくプログラミングは重要な技術になります。
そんな時代に対応できるよう、プログラミング教育で楽しくプログラミングを学べるようになってほしいですね!